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貧乏な活字中毒者がこよなく愛する文庫本に対するあれこれ
by melville_z
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<  2007年 01月   >
  • 『送り火』(重松清 文春文庫)
    [ 2007-01-11 22:54 ]
  • 『びっくり先進国ドイツ』(熊谷徹 新潮文庫)
    [ 2007-01-07 22:10 ]
  • 『月の扉』(石持浅海 光文社文庫)
    [ 2007-01-05 22:11 ]

『送り火』(重松清 文春文庫)
懲りずに重松清。
3月連続で重松清が文庫化されて勝手に盛り上がっている私。
そしてボキャブラリーの少なさから同じ感想しか書けないのではないかと少々怖気ついている私。

そうは言ってもどうせ見に来る人少ないんだし自分のフィードバックと思えば…って。
以前某巨大SNSで重松清について書いた文章を引用。


もし今ここにシェンロンが現れて、

「お前の欲しい能力を一つ与えよう」

と言って目をキラーンとさせたら、さて何が欲しいだろう?


藤川球児のストレートを投げる能力か、バリー・ボンズのホームランを打つ能力か、マイケル・ジョーダンのバスケットの能力か、ビル・ゲイツの流行を見極める能力か、小林一三の経営の能力か、太田光のお笑いの能力か、エリック・クラプトンのギターを弾く能力か…

まあなんでもいい。
私が欲しいのは「重松清の表現力」
氏の小説を読むといつもそう思う。


以上引用終了。
本当にそう思うくらい重松氏の文章はすごい。
基本的に作家には得意なジャンルがあって同じようなモチーフをいつの間にか使っていたりするものだが、今回はちょと異ジャンルの作品もある。

最初の2編なんか特にそう思ったのだが、最近の「世にも奇妙な物語」向けの文章だな、と。
不思議な感覚が出てくる話。
重松清の文章はあまりがついてくる文章だという感覚があるが、今回はそのあまりがとても不思議な感覚をもたらしてくれた。

後半になり、『送り火』や『家路』なんかは重松氏らしい話だが、今回は最初の2編『フジミ荘奇譚』『ハードラック・ウーマン』が印象に残った。





送り火 | Excite エキサイト ブックス > 書籍情報
送り火
重松 清 / / 文藝春秋
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by melville_z | 2007-01-11 22:54 | 人生小説
『びっくり先進国ドイツ』(熊谷徹 新潮文庫)
別に私はドイツが好きなわけではないし、ドイツに行ったこともない。
ただなんとなく「読んでみようかな」と思って購入した。
別に期待したわけでもなく何となく読んでいたが、思いのほか面白かった。

『世界の日本人ジョーク集』という今流行っている本がある。
直前にそれを読んだことが理由かもしれないが、ドイツ人=頑固というイメージが強い。
本作は実際に日本人が現地で感じるドイツ人について書いてあって自分のイメージとの相違を感じながら読み進めた。

題名でドイツと言っている割にはミュンヘンとベルリンの話が殆ど。
ちょうどベルリンの壁崩壊前後世代の私にとって今のドイツしか知らない。
しかし、ベルリンの壁前後の話が多く、ドイツの歴史を感じられたのは確か。


さて、ドイツ人のイメージであるが、概ね思っていた通りだったようだ。
ただやはりステレオタイプなイメージになりすぎていた感は否めない。
ドライな感じのあったドイツ人でもやはりビールの祭りになると騒ぐんだな、とか。
さらに社会保障の話は作者自身否定的な書き方をしている分もあるが、日本と比べてみると五分五分かな、と。
労働者保護に関しては日本の制度は進んでいるものの、生活保障の面ではやはりヨーロッパ各国の方がいいかもしれない。
ただこれは日本人やドイツ人の考え方の違いも大きいので、日本人が書くと否定的になってしまうのかもしれない。

こういうのは実際には体験してみなければ分からない。
ゲーテが言った「母国語を知るには外国語を学ばなければならない」という言葉。
言いえて妙。
こういった本は本当にためになる。




びっくり先進国ドイツ | Excite エキサイト ブックス > 書籍情報
びっくり先進国ドイツ
熊谷 徹 / / 新潮社
ISBN : 4101322325
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by melville_z | 2007-01-07 22:10 | エッセイ
『月の扉』(石持浅海 光文社文庫)
沖縄・那覇空港で、乗客240名を乗せた旅客機がハイジャックされた。犯行グループ3人の要求は、那覇警察署に留置されている彼らの「師匠」を空港まで「連れてくること」。ところが、機内のトイレで乗客の一人が死体となって発見され、事態は一変。極限の閉鎖状況で、スリリングな犯人探しが始まる。
各種ランキングで上位を占めた超話題作が、ついに文庫化!

…とのことです。

おそらく「腑に落ちないミステリランキング」「途中で読むのをやめたくなってくるミステリランキング」「意味のないどんでん返しがついているミステリランキング」で上位を占めたものと思われる。

ミステリとしては犯人は候補からして一人しかありえないし、動機やなぜここで殺さなければならないのかといったところまで不明な点ばかり。
トリックや全体のハイジャックの仕方など特徴を出そうとする姿勢は見えてくるが、「奇をてらったものの、意外と反応はよくない」といった印象しか残らないのは残念。

ハイジャックに至る動機や登場人物のつながりなどは分からないでもないが、宗教的な奇妙さには個人的にはついていけない。


光文社文庫が今推している作品『セントメリーのリボン』『真相』に続いて読んだものの、これだけはイマイチ。
これは作者の個性なのか、自分の感性がついていけてないのか判断に悩むところ。

一言、消化不良だった。




月の扉 | Excite エキサイト ブックス > 書籍情報
月の扉
石持 浅海 / / 光文社
ISBN : 4334740456
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by melville_z | 2007-01-05 22:11 | ミステリー