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貧乏な活字中毒者がこよなく愛する文庫本に対するあれこれ
by melville_z
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カテゴリ:ルポルタージュ
  • 『セックスボランティア』(河合香織 新潮文庫)
    [ 2006-11-20 21:44 ]
  • 『決定版!実録刑務所のなか』(別冊宝島編集部編 宝島社文庫)
    [ 2006-10-29 21:44 ]
  • 『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』(北尾トロ 文春文庫)
    [ 2006-10-25 20:17 ]

『セックスボランティア』(河合香織 新潮文庫)
この本がハードカバーで出た時に色々と話題になったが私は「これなら文庫になるからその時に買うか決めよう」と考えた。
見誤ったかもしれない。
これはハードカバーで買っても良かったかもしれない。
軽い気持ちで読み始めたが、テーマ的に予想以上に重かった。

健常者でも日本では性に対してタブー視する部分がある。
公の立場で話す話題ではないとみなされている。
障害者ともなるとなおさら。
私としては「障害者」と「性」が結びつくものだとは思っていなかった。
この本を読んでしまった今となってはなぜそう思っていたのか不思議でならない。

この本は障害者が向き合っている性について書かれている。
題名に「ボランティア」とあるが、実はこの言葉が厄介。
健常者の性風俗でも他のサービス業よりも高い料金設定になっている。
しかもただでさえ世間的認知として「障害者」と「性」は結びついていない。
その中での「障害者に対する性のボランティア」とは…。

実際の障害者の思いも含めて読む価値がある。
作中に障害者に対して「性欲を与えてしまって残酷だ」といった表現をする部分がある。
万人の思い(本当は偏見なのだろうが不覚にもそう思っていなかった)がこの言葉に凝縮されているような気がして自分自身にショックを受けた。

単なる性に対するルポルタージュではない。
人間のあり方を説いているのかもしれない。




セックスボランティア | Excite エキサイト ブックス > 書籍情報
セックスボランティア
河合 香織 / 新潮社
ISBN : 4101297517
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by melville_z | 2006-11-20 21:44 | ルポルタージュ
『決定版!実録刑務所のなか』(別冊宝島編集部編 宝島社文庫)
隅から隅まで刑務所。
どこからどこまで刑務所。
ピンからキリまで刑務所。
そんな感じの一冊。

刑務所体験記を受刑者から看守まで様々な視点から書かれている。
さらには、留置場・交通刑務所・女子刑務所など色々な刑務所が紹介されている。
フランスの刑務所の様子も載っている。

私の中の刑務所のイメージは「辛くて厳しくて軍隊っぽい」というもの。
実際にそういった内容も書かれているがそうではない。
人間が関わっている以上、人間味というのも感じられる。

看守と受刑者との駆け引きから受刑者同士のいじめまで…。

また、想像以上に厳しい一面も。
風呂は9分、食事は10分。
なかなか最初は時間通りに行動できないらしい。
さらに刑務所内での仕事に対する報酬は時給20円程度。
こんなんでは出所時に報酬を貰っても更生できないのでは…?なんて。

ちなみにフランスでの刑務所体験はなかなか興味深い。
日本ほど締め付けが厳しくはなく、体験記では刑務所でコンサートを開くほどになったとある。
国によって全然違うものだということだ。

行きたくはないけどどんなところかは知りたい。
こういった好奇心をくすぐる傑作かもしれない。

…ただ、宝島関係の本は誤字が多いw




決定版実録!刑務所のなか―パクられた人びとのムショ体験! | Excite エキサイト ブックス > 書籍情報
決定版実録!刑務所のなか―パクられた人びとのムショ体験!
別冊宝島編集部 / 宝島社
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by melville_z | 2006-10-29 21:44 | ルポルタージュ
『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』(北尾トロ 文春文庫)
一ライターが裁判を傍聴した際の体験記。
…と書くとあまりにも物足りない。
「裁判」という言葉のとっつきにくさとは正反対の仕上がりになっている。

裁判といっても所詮は人間の行う仕事。
被告・原告といった裁判素人(?)も人間ならば、裁判官・検察官・弁護士といった裁判のプロ(?)も人間。
裁判傍聴記を読んでいるのにまるで人間臭い物語を読んでいるよう。

ところでこの本の読みやすさは、本の構成にあると思われる。
初傍聴の初々しさを醸し出す話から始まって、最後には傍聴玄人の気持ちで書かれている(それでも”裁判マニア”からまだまだと言われてしまう)。
単なるライターではなく裁判マニアに足を踏み入れている辺りに親しみやすさがある。

そしてこの本の最大の見所は「裁判のプロ達」の人間模様だろう。
傍聴人が多いほど張り消る裁判官(女性だとなお張り切る)。
裁判を長引かせてその分裁判費用を上乗せしようという魂胆丸出しの弁護士(実際にそういった悪徳弁護士に騙された依頼人の話もある)。
世間の不当なイメージに猛烈に反論する検察官。
実際には検察官こそが「正義の味方」なのだが、世間的には弁護士の評価の方が高いのだという(私は、司法試験合格者の中でも検察官の人気が低いという話を聞いたことがある)。

また裁判傍聴マニアというのもいて、彼らの動向にも注目できる。

著者自身も「裁判とはこうあるべき」という先入観を持っている。
その先入観は誰もが持っているものだと思う(私も例に漏れず)。
しかし、裁判の場は人間ドラマの一部である。
決して100%闇の部分と決め付けられるものではない。

これは下手な伝記などよりよっぽど面白い。




裁判長!ここは懲役4年でどうすか | Excite エキサイト ブックス > 書籍情報
裁判長!ここは懲役4年でどうすか
北尾 トロ / 文藝春秋
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by melville_z | 2006-10-25 20:17 | ルポルタージュ