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貧乏な活字中毒者がこよなく愛する文庫本に対するあれこれ
by melville_z
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『半落ち』(横山秀夫 講談社文庫)
今年後半になってどっしりした作品を求めるようになり、今まであまり読んでいなかった横山秀夫や桐野夏生などの本を読み始めた。
その時に『OUT』『模倣犯』『半落ち』は今年中に読もうと決めたものの、実際に読めたのは『半落ち』のみ。
ただでさえ文庫でしか読まないため世間の流行とはかなりかけ離れているのに、これでは余計離れていってしまう。

ただ、その読めない理由というのも存在する。
『OUT』『模倣犯』についてはボリュームの多さが一番の要因。
通勤の電車の中が主な読書時間である現状では大作を読了することへの対策がたてにくい。

そして『半落ち』…というか横山秀夫作品については「もったいない」という感情。
作品の長さでは考えられないほどの凝縮された作品ばかりである。
続けて何作も読んでいくと全てが複雑に混ざり合って訳が分からなくなってしまうという恐れがある。
一作一作時間をかけて、できれば合間に軽い作品やエッセイなど全く違うものを挟んで読みたいと思ってしまう。
一週間に横山作品は一作読めればいい状態で読んでいる。


前置きが長くなったが本作もその横山作品の粋が詰まっている。

妻殺しを犯した現職警察官に存在する空白の2日間。
事件の内容や動機に関して全てを素直に話す一方、この空白の2日間についてはどうしても語ろうとしない。
真相を追い刑事・検察官・新聞記者・裁判官までもが東奔西走する。

様々な視点から事件を追い、最後数ページで明かされる事件の真相。
早く読みたい気持ちと一字一句大切に読み進めたい気持ちが錯綜する。

決して長いとはいえない作品に詰めこまれた重厚さ。
改めて感服した。




半落ち | Excite エキサイト ブックス > 書籍情報
半落ち
横山 秀夫 / / 講談社
ISBN : 4062751941
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by melville_z | 2006-12-30 16:03 | サスペンス
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